店主のたわごと
「飛んで跳ねた、ウサギちゃん達との週末」


小林さん今度「ウサギちゃんカップ」ってイベントやるんですけどいらっしゃいますか?
K氏からお誘いを受けたのが約1ヶ月半前、仕事のスケジュールもいろいろあったし、すぐ返答が出来なかったのであるが、その仕事でかなり煮詰まっちゃったなんてこともあり、気晴らしにそのイベントにお付き合いさせて頂くこととなった。
その「ウサギちゃんカップ」っていうイベントはどんなのかというと、実は「ウサギちゃんレーシングチーム」なるパラグラダー愛好者達のクラブが主催するパラグライダーのイベントだったのである。どんな内容かというと、オニとなった3機のパラグライダーが各々翼上にガムテープで文字を1文字書き、オニを追いかける参加者がその文字を読み取り、3文字で出来上がるある「言葉」を判別しゴールへ向かうというタイムレースなのであった。
当然、判別した「言葉」が正解であり、かつタイムが早かったものが勝者となる。大空を舞台に子供に返ってオニごっこを楽しむ。なかなかロマンチックなイベントではないか。
さて、K氏が主宰する「ウサギちゃんレーシングチーム」、名前は可愛いのだが、そのメンバーはMTBの世界でいうとエリートクラス、しかもトップレベルの強者が数人混ざっているクラブらしいのである。しかも、その会員の所在は全国に分布(ちょっと大げさ?)しているらしい。う〜んウサギの皮を被ったホニャララって人達の集まりなのであろうか? 
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言い忘れたが、K氏はまだMTBキャリアは浅いがうちの店のお客さんの一人である。
現在、TREKのVR400LTと古いパナソニックのMTBを所有している。
飛行条件が整わずパラグライダーで飛べないときに、仲間たちとMTBを使って遊んでいるらしい。しかも、最近コアなハマリ方をしているらしいのである。その証拠に最近では「ウサギちゃんレーシングチーム」の中に自転車部を作ってしまったらしいのだ。(まぁ、うちのショップの常連達も、釣り部やボーリング部、さらに卓球部まで勝手に作っているので、それくらいは別段不思議でもなんでもない)
朝4時半起きで車を飛ばし、イベント会場である山梨県の朝霧高原にあるDKスカイジム朝霧というパラグライダーのフライトエリアに向かった。(ちなみに、第一興商が経営母体なのでDKというらしい)
集合時間の20分前に現地到着。車を下りると冷たい空気が露出している肌を突き刺す。気温はマイナス4℃、ざざざざ、ざむい!スキー用のパッチを履いてきたとはいえシャレにならない寒さである。そこには既にK氏をはじめ十数人の人達が既に到着していた。そのうちの何人かは既にうちの店にも顔を出してくれている顔見知りであった。
「小林さん、今日飛ぶんですか?」その中の一人が私に尋ねた。
そうなのである、私がこのイベントに参加した理由の一つがあのパラグライダーに乗せてもらえるかもしれないという、とても興味深いお話であったのだ。そりゃ、もちろん私は一人では飛べないので乗るのはもちろんタンデム機(2人乗り)である。
天気は快晴、北風がやや強い。皆さんのお話を聞くとこの風が昼近くになると駿河湾から吹く南風に変わるのだという。そうなるとまたとない絶好のパラグライダー日和になるのだそうだ。彼らの自然条件についての知識はとても広く深いものがあるようだ。
私的には、パラグライダーというものに乗ったことなど無かったので、興味津々ではあったが内心はかなりビビッていた。もし条件が悪ければ皆さんMTBで遊ぶのだろうから、私はそちらの方でも良いかななんて徐々に思っていたりしていたのである。
タンデムパラグライダーの持ち主である、もう一人のK氏が私に話しかけてきた。
「小林さん、今日は私がパイロットをやりましょうか。ぐわっとジェットコースターみたいな飛び方ってなかなか面白いですよ!」「ゲッ!そっそんな・・エヘヘヘ・・・めっ滅相もない・・・」笑いながら内心ひきつる私であった。 
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結局この日私を乗せてくれるパイロットは主宰のK氏となったのだが、私は誰がどうのなんて選べる立場ではなかったし、取りあえずこの中では一番親しいK氏が私のパイロットになってくれたので少しは心が落ちついた様な気がした。
そうこうしている間に、大会の受付が始まり私もパッセンジャーとして受付を済ました。
ウサギちゃんの皆さんが持ち込んだMTBを囲んで雑談をしているうちに、「じゃぁそろそろ上に上がりましょうか」と主宰のK氏の声。天候の状態が徐々に良い方向に向かってきたのであった。
大会本部のある着陸地点の標高が約900メートル。ここから約300メートル高いテイクオフ地点まで上がり、飛ぶ準備をするのだそうである。陽が差してきたとはいえ、まだ気温はプラスになったばかりである。テイクオフ地点で待機する時間やさらにそれより上空を飛ぶことを考えればかなり着込まねばならない。
私は持ってきた衣類を十二単の様に身にまとった。(その状態で初めて私に会った人は、私のことをかなりの肥満体だと勘違いしたに違いない)
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テイクオフ地点までは、モノラックという1本レールのトロッコみたいな乗り物に乗って行くのであるが、この乗り物がまたナニゲに恐ろしい。
この乗り物は本来、山腹のミカンの栽培に使用するものらしく、何の飾り気もなく至ってシンプル、最大斜度25度(多分?)の斜面をコトコトと登っていくのだが、前に乗ったK氏が振り返って私に話しかける度に、2人乗りずつに区切られた車両が左右に大きく揺れる、何せレールの作りもあまり立派ではない、内心ひ〜ひ〜と怯えたことで本番前の十分な予行演習となってしまった。
テイクオフ地点は標高約1200メートルのポイントにある。思ったよりも広く、若干の高低差をつけて上下2カ所に分かれている。
簡単なブリーフィング(この表現がカッコイイ、マウンテンでは決してこんな言葉は使わない)の後、いよいよ参加者が飛行準備に取りかかった。
先ず、上段のテイクオフポイントより、オニが3機飛び出して行く。その翼には答えになる文字が書かれているため、彼らが飛び立つまで他の参加者は後ろを向いて見えないように待っている。ここで、疑問が一つ湧き起こった。何故追いかけられる人達がオニなのだろうか?普通は追いかける方がオニではなかろうか?う〜ん?などと勝手にお茶を濁している間に、K氏より声がかかった「それじゃぁそろそろ飛ぶ準備はじめましょうか」
ペキペキペキ(顔が勝手にひきつる音)そして他人に悟られないように後ろを向いて必至に顔をもみほぐす私であった。
飛んでいるときに身体を支えてくれるハーネスという装具を身体に装着してもらう。着ぶくれでパッツンパッツンの私にハーネスを取り付けるのはかなり難儀らしい。でも、私の緊張ぶりを察してくれているのかみんなとても優しい。(いい人達だ・・・)
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DH用のフルフェースも被り、すっかり準備の整った私は自分の順番が来るまで、みんなが飛び立っていく様子に見いり、「オ〜ッ!なんかスターウォーズの反乱同盟軍のXウィングが次々と出撃していくみたいだ!」なんて勝手に感激していると、突然上段のテイクオフ地点より飛び立つのをミスッたパラグライダーが幅5メートルほどの雑木林の上をバリバリとなめながらこちらのテイクオフ地点まで横滑りで墜落してきたではないか!!!幸い本人も機体もほとんど問題なかったようだが、それをまともに見てしまった私はもう大変!「マッ!マジ〜・・・」一番見ちゃイケナイものをライブで見てしまった私であった。
目の前の事件に自分のイメージを重ねてよりビビッテいる私に声がかかる。「じゃあ、そろそろ飛びましょうか!」いよいよ私達が飛ぶ順番が来た。
無意識にロボット歩きをする私にK氏がいろいろとアドバイスをしてくれる。「完全に飛び立つまでしばらく走っていて下さい。」「それじゃ行きます!」浮かび上がる翼を感じつつ頭が真っ白な状態でひたすら走る(といっても3〜4メートル)バタバタバタっと足が空を蹴っていると思った時には、既に私達は大空に飛び立っていたのであった。(このしばらく足をバタバタやっている様子を下から見ていていたらかなり笑える光景であったにちがいない)
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富士山をバックに飛び交うパラグライダー達、この日の参加者は約40名弱であった。こんな景色もしかしたらもう二度と拝めないかも・・・
これは私の足である。下に見える地表の標高が900メートル、このときの私達の高度が約1500メートルだったので、私の足の下には約500メートルの空間があったことになる。 これが、オニのパラグライダー。翼に赤いガムテープで「オ」という字が書いてあるのがわかる。このオニをやっているパイロットの方々のレベルは相当に高いのだそうだ。
人間というものは少しでも状況が良い方に変化すると態度までがらっと180度変わっていまうものである。
うっひょ〜なんて気持ちが良いのであろうか!かつてケアンズで経験したジェットスキーで引っ張ってもらうパラセーリングってやつに感じは似ているが、飛んでる高さが段違いに高い。飛びながらK氏がパラグライダーの原理についていろいろとレクチャーしてくれる。
山腹に当たり駆け上がっていく気流や、お日様で暖められた地表に生じる上昇気流を巧く見つけてパラグライダーはその高度を上げていくのだそうだ。
実際、私達のパラグライダーも山肌近くになると下からの風を受けフワ〜っと上昇していく。腰に付けた高度計が上昇を示すアラームを不規則に鳴らしてくれる。
比較的近くにそびえる富士山をバックに、先に飛び立った仲間達が手を振って挨拶をしてくれる。風の音しか聞こえない分本当に大空を舞う鳥になったようで気分は本当に最高であった。
しかし、至高の時間は長く続かない。私達が飛び立ったタイミングが若干悪かったのと、私の体重が若干重かったためか私達のパラグライダーはK氏の努力にもかかわらず、なかなか高度を上げることが出来なかった。(それでも、最高1500メートル近くには上昇した)何とかオニを2機発見し、「オ」と「ツ」は見つけたのだがもう一機にはついにたどり着けなかった。
私達はこれ以上飛び続けることを諦め、地上に戻ることにした。
パラグライダーの着陸は凄い、驚くほどの早さで着陸ポイントめがけて降下していく。この急降下(私的にはそう感じた)で私は若干酔ってしまったが、着陸も驚くほどスムースで私のパラグライダー初飛行は約30分程で幕を閉じた。
その晩は近くの田貫湖のキャンプ場の表彰式を行い、そして、各々バンガローで夜遅くまで宴会で盛り上がったのであった。
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翌日は、ウサギちゃん自転車部の人達と富士山麓の林道ををツーリング。
下りが長く楽しいということなので、私は、来期のうちの試乗車となる Rocky MountainのRM6でこのツーリングに参加した。
だらだらの5キロほどの登りとそれよりちょっときつめの登り2キロを登り切ると、後は約10キロほどのロングダウンヒルとなる。(なんか計算合わなくない?とお思いの方、そうなんです、他のウサギちゃんの方が途中まで車で上げてくれたのでありました)
RM6はフロントフォークの選択によってDHマシンにもなるバイクだが、今回は01モデルのMANITOU SUPER NOVAとフロントトリプルギアでのフリーライド仕様。
総重量15キロとは思えない軽い漕ぎ味で約7キロの登りを登り切ると、後はもうマッカセナサイ!の極楽ダウンヒル。初めて乗るバイクとは思えない様なコントローラブルなハンドリング。林道にいくつもある土管を埋め込んだギャップは絶好のジャンピングスポット。まさにウサギちゃんの様に飛び跳ねながら快適に下ることが出来た。
また、機会があればお空も飛んでみたいものである。